2022エイプリルフール企画「駅名Wordle」ができるまで(企画編)

こんにちは!MaaS事業部 MaaS Platform Team の伊藤です。
ちょっと間が空いてしまいましたが、今年の4月1日に限定公開した「駅名Wordle」について、着想からエイプリルフール企画として立ち上がるまでの間にあったことを裏話的に書いてみようと思います。

※「駅名Wordleって何?」という方はガジェット通信さんのエイプリルフールネタ振り返り配信も御覧ください!

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きっかけは私自身がWordle、ポケモンWordleのプレイヤーだったからことから

私自身が、毎朝欠かさず英単語推測パズルゲームの「Wordle」と、ポケモン名バージョンの「ポケモンWordle」をプレイしているなかで、ふと「これは駅名を推理するパズルゲームになっても面白いかも」と思ったのがきっかけでした。

かつて、電車の運行ダイヤをリズムゲームの譜面に見立てた「Ekisbeeeat」を思いついたのも、Yahoo!乗換案内アプリの通勤タイマー機能を使っているときでした。電車の時刻を示すアイコンがリズムゲームの「ノーツ」に見えちゃったんですね。

こういうひらめきって、仕事以外のときに突然降りてくるものかもしれませんw

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分報チャンネルでつぶやいてからの怒涛の展開

そんなきっかけで思いついたことを何気なくSlackの分報チャンネルでつぶやいていたのですが、それを見た弊社若手社員に拾われてしまいその日のうちにプロトタイプができたとのお知らせが。

その時点ですでに十分に超展開なのですが、プロトタイプを遊んでみた他の社員の反応も良かったのでこのまま埋もれてしまうのはもったいないと思い、何らかの形で世の中に出したいと上長に提案。

駅すぱあとアプリの一機能とするか、本家Wordleのようにニューヨークタイムズに買ってもらうか…などさまざまな案が出ましたが紆余曲折を経てエイプリルフール企画の特別コンテンツとして公開しようという運びとなりました。

4月1日限定公開仕様としての調整

本家Wordleと同じルールというわけにはいかない

本家Wordleの基本ルールは「出題は日替わりで、毎日正解が違う」「チャレンジは1日1回、6手以内に正解を推理」となっています。4月1日限定公開とする駅名Wordleで、正解が1つに決まっていてチャレンジが1日1回では物足りないですし、何回も遊べるが完全なランダム出題というのもただの運ゲーのようになってしまい正解の達成感も得にくいのではないかと考えました。

そこで、都道府県別に正解を用意して合計で47回チャレンジできるという仕様にしました。1日の中で遊べる回数としては十分に思えましたし、プレイヤーの居住地や知っている場所なら解答しやすいなど、選んだ都道府県で難易度が変わる面白さもありそうに思えたからです(実際、5文字の駅が少なく最初から2択という県もありました)。

また、プレイする都道府県の選択方法は駅すぱあとアプリで「出発地を"駅すぱあと"、到着地を"都道府県名"」とする、裏ワザのような操作方法にしました。元々はキャンペーンページへの入口を出現させるための機能だったのですが、アプリをゲームの入口とすることで少しはアプリDL数増の施策にもなるかなという期待もありました。

難易度の調整

プロトタイプの時点で気づいてはいたのですが、5文字の駅を思いつくこと自体が大変で一手一手の解答をすることが難しい状態でした。そこで、難易度調整として5文字以内の駅名であれば解答OKというルールにしました。

ただ、ここは実際にはあまり伝わらなかった部分で、本家Wordleの「5文字の単語縛り」の先入観があるのと、正解の駅名に使われない文字を潰すことも考えると一手のコスパが悪いため、頑張って5文字の駅名を解答しようとするプレイヤーが多かったようです。

まとめ

今にして思えば、この企画の話をスムーズに進めることができたのは「MVP(Minimum Viable Product)」での価値検証がうまく行ったおかげではないかと思っています。

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MVPは「実用最小限の製品」と訳され、製品やサービスのコアとなる価値を体験できるものを指します。私のつぶやきを元に作られたプロトタイプが「Wordleのようなルールで正解の駅名を推理するゲームが面白いかどうか」を確認するのに十分なものでだったので上長への提案もしやすかったですし、あとから考えたルールや難易度の調整は、コアとなる価値を4月1日限定で楽しめるようにするための追加要素でしか無かったな。と今では思います。

このようにして2022年のエイプリルフール企画として動き始めた「駅名Wordle」ですが、実装の方でもさまざまな苦労があったようです。そちらの話は「実装編」に続きます。