オミクロン株と駅すぱあとアプリの検索回数の関係を調べてみた

f:id:val-fukui:20211210194424p:plain

ヴァル研究所 Advent Calendar 2021 11日目の記事です。

おはようございます。ヴァル研究所、製品開発部の武正と申します。
駅すぱあとアプリなど自社製品の管理を中心に色々としています。
最近はCTO室のメンバーとして学生さんと座談会をしました。楽しかったです。

さて、アドベントカレンダー企画なので当然といえば当然なのですが年末ですね。当社では、12月になると決算に向けてさまざまな数値まとめ業務が開始します。

ということで私も駅すぱあとアプリのデータをまとめてみることにしました。

前回の記事ではコロナ禍以降の検索回数を調査したのですが、駅の属性によっても傾向が変わるだろうなぁと思ったので、今回はその観点で見てみたいと思います。

vallaboratory.hatenablog.jp

この駅でなにかあったのかなーと想像を膨らませながら見ていただければと思います。

作る

タイトルのとおりですが、今回使用するのは駅すぱあとアプリの検索ログです。
詳細は下記のとおり。

  • 年月日(2021/01/01〜2021/12/05)
  • 到着駅に指定された駅
    • 検索回数上位100駅(全国と東京都内で2パターン)
  • アプリの検索回数
    • 曜日による偏りを抑えるため、1週間の移動平均を使用

これをGoogleスプレッドシートにインポートし、いい感じになるよう加工を施したのち、グラフに出力します。

個人的にはさくっと作ったものをいろんな方に見て触ってもらえるのが一番だと思っているので、見た目が多少シンプルでもGoogleスプレッドシートで完結するようにしていることが多いです。

今回作ったのはこんな感じで、チェックボックスのぽちぽちで見たい期間と駅を選択できるようにしています。

f:id:s_tkms:20211209190252p:plain

ちなみに、グラフに出力しているのは赤羽駅なのですが、個人的にお気に入りのイルミネーションがあるので、お立ち寄りの際はクリスマスの思い出にどうぞ。

AKABANEのアーチがかわいくて好きです。

akabane-shinbun.com

見る

では結果を見てみます。

【補足】
グラフの縦軸は検索回数ではなく、「期間中の平均検索回数に対する、その日の検索回数の割合を駅ごとに算出」したものとなっています。
このため、例えば東京と名古屋のグラフが重なっていても、検索回数が同じという意味ではありませんのでご留意ください。

元データでは検索回数の多い駅を100件リストアップしたのですが、すべてを載せることは難しいので、検索回数のばらつきが大きい駅と小さい駅とでいくつかご紹介します。

期間も適宜絞ったものを使用します。

オミクロン株の影響

まずは羽田空港第1・第2ターミナル(京急) を見てみます。
こちらは立地的に緊急事態宣言の発出による渡航制限などの影響を特に受けやすい駅です。

f:id:s_tkms:20211209205651p:plain

赤で囲んであるのは、新型コロナウイルスの新しい変異株「オミクロン株」が見つかったタイミングなのですが、顕著に検索回数が落ちています。

ここに比較的ばらつきの少なかった千葉県の柏駅を重ねてみると、起伏の激しさがよりわかりやすいかと思います。

f:id:s_tkms:20211209204105p:plain

次に、新幹線が停車する駅のうち、検索回数の多い駅をピックアップしました。

f:id:s_tkms:20211209214716p:plain

ちょっと見づらいのですが、京都駅や埼玉の大宮駅あたりが目立っているように見えるので、この2駅を抜き出します。
すみません、グラフの色が変わってしまっています。

f:id:s_tkms:20211209215416p:plain

大宮駅も柏駅にかなり似た推移をしているように見えます。

対して、京都駅は国内屈指の観光地というロケーションゆえか、振れ幅が大きくなっています。こちらも感染者数の減少に伴って増加していた検索回数が、オミクロン株の発見によって大きく減少した形ですね。

国内の移動がまだそれほど制限されていないなかでも、検索回数は明らかに減少していたので、自粛や感染症予防の意識が高いユーザーが多いのかもしれません。

お出かけで行くことが多いであろう駅に関しては、おおむねオミクロン株の影響を受けて検索回数が減少していたのですが、例外的に増加している駅もありました。

例えば舞浜駅です。

f:id:s_tkms:20211209220343p:plain

多くの駅で検索回数が減少したタイミングで、こちらはさらに増加しました。

[おまけ] 年越し前後の動向

最後におまけとして、コロナ禍以前(2019年)の年末年始に着目し、検索動向が特徴的だった渋谷(繁華街)・浅草(神社仏閣)・国際展示場(コミケ会場)の3駅を重ねてみました。

f:id:s_tkms:20211209212625p:plain

晦日が近くなると国際展示場へ向かう検索回数が急激に増加し、年が明けた途端激減します。
このタイミングでは繁華街の渋谷駅は減少し、初詣需要の高い浅草駅は増加するという動き方をしています。

さいごに

今回のデータですが、想像どおりだなーとか、そりゃそうでしょ、と思った方もいらっしゃったのではないでしょうか。
それでも「多分こうだろう」と思っている状態と、それがデータによって裏付けられている状態とでは大きな違いがあります。

データ分析というと難しい知識が必要そうなイメージがありますが、基本的には「多分こうだろう」を確かめる作業なので、まずは軽い気持で触ってみると敷居が低く始められるのではないかなと思います。

社外向けなんだか社内向けなんだかよくわからないまとめになってしまいましたが、以上で今回の記事を終わりにします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

明日はMaaS事業部・川中子の「コロナ禍での転職活動〜面接から入社までフルリモートで完結した話〜」です。おたのしみに。

vallaboratory.hatenablog.jp