オンラインホワイトボード「Miro」で大きくなったカンバンの話

f:id:vallaboratory:20211207221949p:plain

ヴァル研究所 Advent Calendar 2021 14日目の記事です。
はじめまして、基盤開発部の福永と申します。ダイヤや運賃といった「駅すぱあと」の根幹となるデータを作成するチームで、現在は主に業務改善を担当しています。

この記事では、バスのダイヤ改正作業のタスク管理で使用している「カンバン*1」についてご紹介いたします。
総務さんから「リモートワークが当たり前になった今、カンバンをどんな感じで作ってるのか教えてほしい」て言われてたんでちょうどよかったです笑

コロナ禍以前

ヴァル研究所といえば、フロアのいたるところに並べられているホワイトボードの"カンバン"!
コロナ禍以前は、アジャイル開発に熱量のある会社向けの会社見学ツアーを300回以上行っていたので、実際に見ていただいた方もいらっしゃるかもしれません。

speakerdeck.com

リモートワークになる前、バスのチームは5、6人ずつの班に分かれ、それぞれの班がホワイトボードを持ち、カンバンにふせんを貼ってタスク管理をしていました。
チーム全体の朝会の後は、各班がそれぞれのホワイトボードの前に集まって朝会をやる光景が当たり前。
ホワイトボードを見て回れば各班の状態が一目でわかる。
運用も各班におまかせなので、独自の進化やユニークや仕組みが出現するのも楽しみのひとつでした。

巨大カンバンの誕生

それが全社リモートワークになったことで、物理カンバンの時は止まってしまいました。
もちろん各班の状況も見えづらくなってしまいます。
以前は班ごとに担当するバス会社も分担していたのですが、少し前にこの分担制は解消しており、リモートワークになったこの機会にカンバンもひとつに統一しようということになりました。

スプレッドシートでも管理していたのでそれをメインにする案も検討したのですが、「それだと状況がわかりづらい、カンバンとふせんがいい!」という強い声があり、選んだのが「Miro」というサービスです。

miro.com

Miroは自由度の高さ・ボードの広さ・直感的な操作のしやすさが特徴。
ここに、バスのデータ整備に関する全てのタスクを集めていった結果、巨大なカンバンが出来上がりました。それがこちらです。

f:id:fukunaga-val:20211204173507p:plain

おわかりいただけるだろうか。黄色や水色の小さな四角が、全部ふせんです…

大枠が完成し、それまでの各班のタスクのマージが済み、全体を見渡した時の達成感と衝撃がないまぜになった気分は今でも鮮明に覚えています😇

実際はふせんひとつひとつに詳細説明やリンク先へのコメントがついています。
このスクショは11月末に撮ったので比較的タスクに余裕がある状態なんですが、現在は年末年始ダイヤへの対応タスクが大量に投入されております。

TODO・DOING・DONE。カンバンの基本ともいえるこの大枠こそ私が作りましたが、その後はメンバーの手によって領域が拡大し、角丸半透明の四角によって細かく区分けがなされていき、今に至ります。なぜ角丸で半透明なのかはわかりません笑

現在は毎日朝夕の2回、社員がZoomをつなぎ、このMiroを見ながら、タスクの整理と管理を行っています。

ふせんに書いていること

f:id:fukunaga-val:20211204173503p:plain

ふせんには以下の情報を必ず書くようにしています。

  • ふせんのできた日
  • バス会社名
  • 改正日
  • 改正種別(ダイヤ・運賃など)
  • 別管理している一覧表の行番号

コメントには、ダイヤ改正の情報源となったWebページのリンクを記載しています。メールで直接ご連絡いただいた場合は、メールの受信日時が入っています。

チームには経験の浅い人からベテランまでいろいろな人がいるので、タグ機能も活用しています。例では「初心者」のタグをつけてみましたが、他に「経験者」「様子見」「要注意」などのタグができていました。

作業に着手する場合は、自分のアイコン画像をふせんの近くに置きます。
また、作業の進み具合を表す1️⃣~9️⃣の絵文字をつけています。
Miroは絵文字を簡単に貼ることができるのも素敵な特徴。作業がつらかったら泣いてる絵文字😭、連絡待ちの場合はメールの絵文字✉などをつけると状況が直感的にわかり、状況の見える化・メンバー同士の助け合いにもつながっています。

GOODとBAD

Miroの持つ、図形・ふせん・コメント・タグ・絵文字などのさまざまな機能によって、この巨大カンバンではタスクの基本情報だけでなく補足情報や作業状況までを全部盛りで表現することができます。

また、巨大なカンバンを作ってもMiroのボードには余裕があるので、まだまだ拡張できるのが心強いところ。
将来何かほかに管理したいものができた時は、枠外に簡単にスペースを取ることができます。実は既にスクショの外のスペースを間借りして、私が別件のタスク管理を行っていたりもします。
画面をドラッグすると他のカンバンも見に行けるのは、かつてフロアを歩いてカンバンを見て回っていたのと似ている気もします。

f:id:fukunaga-val:20211207110752p:plain

先ほどのスクショの上の方で間借りしています

f:id:fukunaga-val:20211207110345p:plain

まだまだ余裕がございます

そして何より、ホワイトボードや壁では到底実現できないし管理もできないであろう規模のカンバンでタスク管理ができている、これが単純にすごいことだと思っています。

一方、「ふせんの数が多過ぎてやってもやっても終わらないため、モチベーションに影響する」という声もあり、何か良い方法はないかな、と考えているところです。

最後に

リモートワークでのカンバンを使ったタスク管理について、何かの参考になればうれしいです。お読みいただきありがとうございました!

明日は mixway team 平久江の「Cypressを使うとwebアプリケーションのE2Eテストが簡単にできます!」です、お楽しみに。

vallaboratory.hatenablog.jp

*1:壁やホワイトボードに、タスクを書いたふせんを貼ることで「今どんなタスクがあるのか、どのような状況なのか、誰がやっているのか」などを見える化する仕組みのことです