「駅すぱあと×チャットAI」というテーマでサマーインターンシップを開催した話(前編)

はじまり

​ こんにちは、ヴァル研究所のs_itohです。
今年の夏に新卒採用の一環で開催した、サマーインターンシップの話をしたいと思います。 ​

ヴァル研究所のサマーインターン

​ 当社ではサマーインターンシップを「就業(現場配属)型」「開発体験型」の2つの形態で実施しており、その中でも今回は「開発体験型」のお話になります。

「開発体験型」のインターンシップは直近の3〜4年、完全オンラインでの開催となっています。今年は8/22~8/25と9/5~9/8の2回に分けて開催しており、3~4名で一つのチームを構成し、テーマに沿ったアプリを作成するという内容でした。

日程は4日間で、チームビルディングや成果物発表会などの時間を差し引くと、開発に充てられる期間は実質2日ほどになってしまうため、今回はあらかじめテーマと作成したいアプリを提示する形にしました。
本当はチームごとに、アプリのアイディア出しから開発作業まで一貫して体験してもらいたかったのですが、時間の制約があって絞った形です。 ​

今回のテーマ

​ 今回のテーマは「駅すぱあと×Chat AI」としました。ChatGPTなどのAI(生成系AI)の分野が盛り上がっていることと、自分としてもサービスにAI技術を活用していきたいという想いがあるためです。
なお、当社の「駅すぱあと for web」では、実験的な位置づけで「お出かけAI(β版)」というサービスを公開しています。
先日公開した記事では、「お出かけAI(β版)」の開発の裏側も公開しています。ぜひご覧になってください。 ​

作成するアプリの検討

​ AIの可能性は認識しつつも、具体的にどんな応用ができるだろうか?と考えると意外とすんなりとは思いつきません…。
そこで考え方を変えて「AIを活用したサービスを作る」ではなく、「日常の困りごとを解決するためにAIを活用する」といった、日ごろの課題解決にAIの活用を当てはめて、マッチしそうかどうかで考えてみました。

すると意外とすんなりアイディアが出てくるもので、例えば先述したお出かけAI(β版)では美術館や動物園、温泉といった目的地となる施設の候補を生成しますが、「どの順番で移動するか」については利用者が選択する必要があり、それぞれの施設間の移動時間を調べたり、距離を調べたりと、まだまだシステム化できることがありそうです(その作業に楽しさを見出す方もおられるかとは思いますが…)。

そこでAIの出番です。行き先の一覧からAIを用いて巡回リストを作成してみようと思います。
例えばChatGPTに以下のようなプロンプトを与えてみます。
※店舗名と緯度経度は架空のものです。 ​

以下は「店名,緯度,経度」のリストです。緯度経度を元に「麺屋 高円寺」から効率的に巡回する場合の順番を教えてください。
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麺屋 高円寺,35.705629,139.649638
高円寺温泉湯屋,35.704294,139.651611
麺や ヴァル,35.706219,139.654301
ラーメン まる福,35.702853,139.647907
銭湯 湯らんど,35.701873,139.650448
ラーメン 幸楽,35.705109,139.649584
麺処 駅すぱ,35.704652,139.648032

​ これに対し、ChatGPTは以下のような回答を返してきます。 ​

緯度経度を元にして、効率的に巡回する順番を計算することができます。以下に「麺屋 高円寺」から出発して各店舗を巡回する最適な順番を示します。
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1.麺屋 高円寺 (出発地点)
2.ラーメン まる福
3.銭湯 湯らんど
4.ラーメン 幸楽
5.高円寺温泉湯屋
6.麺処 駅すぱ
7.麺や ヴァル
​
この順番で各店舗を巡回すると、最短の経路で効率的に回ることができます。ただし、緯度経度の情報だけでは実際の地理的な条件や交通状況を考慮していないため、実際に移動する際には地図やナビゲーションシステムを活用して最適な経路を確認してください。

なかなか良さげな回答内容になっています。
これで目的地となる施設の巡回リストが得られたので、施設間の移動については当社の駅すぱあとと組み合わせることで旅行計画がパッと作れそうです。

これは思っていたよりも良さげなアプリになりそう!という感じがしてきたので、今年のサマーインターンシップでは「お出かけプラン提案アプリ」を作ってみることにしました。

アプリ作成にあたり、事前の準備や調べておくこと(その時点では分かっていなかった)がいくつかあったのですが、これは次の記事で紹介したいと思います。